CUP Method 株式会社CUP商会

開発者の想いDEVELOPMENT

CUP工法開発者の開発にかける想いをご紹介します。

開発の必要性

が場所打杭に使用する鉄筋かごの無溶接組立工法を開発する必要性を感じたのは、ある現場で中断していた溶接作業を雨上がりに再開した際に、鉄筋溶接工の親子の当時17歳の息子さんが、感電災害により脳に損傷を受け完治不能という報告を受けたことがそもそものきっかけでした。
品質向上はもちろんのこと、このような事故を防ぐためにも、溶接作業を取り除く必要を強く感じました。

開発の必要性1

場所打ち杭鉄筋かごの部材固定において最大の難点は、主筋と組立補強リング・スペーサーの固定方法でした。
この問題を解決出来ず徒に月日が流れているうちに、都市基盤整備公団様に於いて、溶接による鉄筋の品質劣化などの弊害を無くすための無溶接工法の開発・提案を場所打ち杭施工業者に対して募集し、実験的に1本の杭を完全無溶接で施工する旨通達が出されました。

開発の必要性2

当時提案された無溶接工法金具では、金具一個当たり部品点数が4~5個と多い為に、従来の溶接組立の施工速度に遥かに及ばず、施工費の高騰を招いてしまい、各棟1本の試験施工段階から全杭無溶接に移行する見通しがたたない状態でした。
私は主筋と組立補強リングをボルト1本で固定する方法に加え、これにスペーサーと主筋・帯筋・補強リングの固定の問題を同時に解決する案を提案し、全杭無溶接施工に移行するきっかけが出来たことで、無溶接工法実用化の流れとなりました。

開発の必要性3

更に、装着・調整の手間がかからないスペーサーの改良や、主筋と補強リングを固定する金具の大半を回収再利用とし、鉄筋建込時にこの金具を回収し、次の鉄筋かご組立に再利用するなどの改良を経て、無溶接工法導入に大きく立ちはだかっていた施工コストの問題が解消しました。

開発の必要性4

CUP工法の特色

組立速度が抜群に速く、少人数施工できるのが、CUP工法の大きな特色です。豪雨の中で組立作業を完遂し、鉄筋かご組立作業が工期に全く影響を及ぼさず計画以上に早く終了した事例もあり、現場全体の経済性にも貢献しています。

CUP工法の特色1

CUP工法により、作業者は、冒頭に紹介したような恐ろしく哀しい感電災害や、火傷・失明・じん肺その他の 労働災害から守られます。 また、本来の目的である溶接による品質劣化を完全に防ぎ、近年採用される事が多い溶接不可の鋼材による組立などにも需要が増大しています。

CUP工法の特色2

従来溶接工法に替えCUP工法を採用する事により、溶接技量差による品質のバラつきを防ぎ、使用発電機の小型化による消費燃料の削減とCO2削減を図れるなど、地球環境にとって僅かでも貢献できる道筋が出来る事を嬉しく感じると共に、更なる解決方法を見出すべく努力して参りたいと思います。

CUP工法開発者/技術顧問渡辺 徹